元モデルの歯学博士・照山裕子さんが、口臭が気になる、歯周病が進んできた…歯と口の悩みなど、皆さんの悩みに回答します。

 Q 歯を磨くと、血がにじむようになりました。歯周病でしょうか。口の中がねばつく感じもします。

 A 歯周病かどうか、一番分かりやすいのが歯磨きしたときに血が出るか。まれにごしごし磨きすぎて出血する方がいますが、よっぽどです。歯周病かどうかセルフチェックしてみましょう。

○歯磨き時に出血する。

○口臭を指摘された、あるいは気になる。

○起床時、口の中が苦くねばねばする。

○歯の表面がざらついている。歯肉がむずがゆい、痛い。

○歯肉が赤く腫れている。

○歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい。

○硬い物がかみにくい。

○歯が長くなったような気がする。

○歯が動揺する。

 3つ以上当てはまれば、歯科医院で診てもらってください。当てはまる項目が多ければ多いほど、歯周病が進行している可能性は高いです。

 歯周病は40歳以上の8割がかかっている、最も罹患(りかん)者が多い感染症です。歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)にプラーク(食べかす。ばい菌が潜む汚れ)がたまる。取り切れなかった汚れは、固まって歯石になります。そうなると、歯磨きでは取れません。そこからばい菌が毒素を出して炎症を起こし、骨を溶かしてしまう。健康な人の歯周ポケットは2、3ミリですが、進行すると深くなり、6ミリ以上となると、歯がグラグラしてきます。

 歯周病の恐ろしいところは、1回、歯を支えている骨が溶けてしまったら、再生されないこと。歯を失う原因の第1位です。最近、若い世代の歯周病が増えています。少子化で親が子どもの歯に注意しているため、若い世代の虫歯は減っているのですが、一方で自分でしっかりケアする習慣がない子が増えているんですね。ノンカリエスといって見事に虫歯が1本もない人が、歯茎が全部下がり、歯石がびっしりついているんです。虫歯が少ないという人も要注意です。

 ◆照山裕子(てるやま・ゆうこ) 歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。歯と全身の関わりについて幅広く学んだ経験を基に、機能面だけでなく審美的要素にもこだわった丁寧な治療がモットー。分かりやすい解説でテレビ、ラジオにも多数出演している。学生時代はモデル事務所に所属。近著に「歯科医が考案 毒出しうがい」(アスコム)。