プレーバック日刊スポーツ! 過去の3月24日付紙面を振り返ります。2012年の野球面(東京版)では「イチロー、メジャー12年目で初の凱旋開幕戦」でした

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 マリナーズのイチロー外野手(38)がメジャー12年目で初の“凱旋(がいせん)開幕戦”に向けて23日、日本に上陸した。成田空港着のチャーター機で来日。約150人のファンと、約50人の報道陣が待ち受ける中、チームの先頭を切って登場。ピンクをちりばめた個性的なファッションで独特のオーラを放った。今日24日から東京ドームで練習を行い、28、29日の開幕シリーズ(東京ドーム)に向けて仕上げていく。アスレチックスも来日した。

 イチローが華やかな桃色をまとって、さっそうと到着ロビーに現れた。ハット、七分丈のような黒っぽいスーツと、丈の短いパンツだけでも十分に目立っていたが、メガネの縁、ネクタイのストライプ、ソックスと随所にピンクを配色。サッカー界なら中田英寿氏、本田圭佑が異彩なファッションで成田空港に登場したが、野球界のスーパースターの凱旋もファッションショーのようだった。

 独特のオーラからか、約150人のファンから「イチロ~」の声援は少なかった。フラッシュの閃光(せんこう)に表情を変えることなくクールに、約20秒でVIP専用の出口に姿を消した。直後に姿を現した川崎がファンの声援に「ハイハ~イ」と答えたり、岩隈が手を軽く挙げて応じたのとは対照的だった。

 事前に主催者サイドから取材禁止が通達され、イチローは報道陣にも対応しなかった。だが、メジャー12年目で初の“凱旋開幕戦”への思いは高ぶる。キャンプイン当日から「(岩隈、川崎と)3人で開幕のグラウンドに立ちたいと思います」と宣言。オープン戦では新打順の3番を任され、右足の上げ幅を抑えた新打法の精度を磨いてきた。打率4割、2本塁打、8打点と好成績を残し、満を持して日本に乗り込んできた。

 22日付の大リーグ公式ホームページでは「今までこういう機会がなかったので、自分にとってもチームにとっても新しいことだ。我々にとって、たぶん一生に1回のことだから、楽しみたいし、生かしてきたい」とコメント。日本のグラウンドで躍動するイチローの姿が、もうすぐ見られる。

※記録と表記は当時のもの