西武が唯一の得点機を生かせず、三塁を踏めないまま無得点で敗れた。6回。先頭の炭谷が二塁打を放ち、打席には第1打席で今月41安打目の右前打を放った秋山翔吾外野手(27)を迎えた。ベンチの指示は送りバント。しかし、勢いのある打球が投手前に転がってしまい、炭谷が三塁でアウトに。続く栗山が三遊間へ鋭いライナーを放つも、三塁レアードのダイビングキャッチで阻まれ好機を逃した。田辺徳雄監督(49)は「いつでも打てる保証はない。確実に走者を進めなければいけない場面だったので」と、采配の理由を説明した。

 秋山は試合後、ユニホーム姿のまま厳しい表情で室内練習場へと消えた。「流れを止めてしまった。あのバントを決めていれば栗山さんの打球も抜けていたはず」と自らを責めた。今日29日の今月最終戦の相手は首位ソフトバンク。プロ野球新記録となる月間9度目の猛打賞など忘れ、チームの勝利だけを見据える。