9月23日に亡くなった阪神中村勝広ゼネラルマネジャー(GM、享年66)の「お別れの会」が19日、甲子園球場で営まれた。首脳陣や選手がユニホームでグラウンドに立ち、球団OBらも参列。関係者約600人、一塁側スタンドでは約1000人のファンが悼んだ。

 阪神元監督の吉田義男氏(82=日刊スポーツ客員評論家)が弔辞を読み上げた。監督に就いた75年、当時4年目だった中村GMを「1番二塁」に抜てきしたことが、プロ野球界で開花するきっかけになり、師弟として40年間に及ぶ信頼関係で結ばれた。

 リーグ優勝、日本一を遂げた85年、米国フロリダ州で教育リーグに参加していた中村2軍監督と電話でたたえ合ったエピソードも披露。「だれにも公平に接する紳士。内に秘めたる闘志をもって何事にも勇敢に立ち向かった」と声を震わせた。「あなたの魂は永遠に消えることなく、同じ志を抱くものの心を照らし続けるでしょう。教え子たちは必ずや墓前に大いなる栄光をささげるはずです」。静かに遺影に語りかけ、猛虎復活に思いをはせた。