パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止や人質解放を巡り、イスラエルとイスラム組織ハマスの間接交渉が4日、エジプトの首都カイロで始まった。交渉は5日も継続。イスラエルのネタニヤフ首相は5日のビデオ声明で、戦闘終結を求めるハマスの要求には応じないと改めて表明した。ハマスのハニヤ最高指導者はネタニヤフ氏が交渉を「妨害している」と非難した。交渉は平行線とみられる。

ハニヤ氏は声明で、交渉に真剣に取り組んでいるとし、戦闘終結とイスラエル軍のガザ撤収を含んだ包括的な合意を目指していると強調した。ハマス壊滅を掲げるイスラエルとの間で妥協点を見いだせるかどうかが焦点となる。ハマスは5日、2日間の交渉後、代表団が協議のためカイロを離れると明らかにした。

ロイター通信は5日、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官がカタールの首相と緊急会談するため、カタールの首都ドーハに向かうと報じた。交渉継続に向け「圧力」をかけるとしている。

交渉はエジプトと米国、カタールが仲介。イスラエル紙ハーレツによると、ガラント国防相は5日、ハマスが合意に応じなければ、ガザ最南部ラファで「近く軍事行動を起こす」と警告した。イスラエルは交渉で進展がない限り、代表団をカイロに派遣しない方針。イスラエルは戦闘休止や人質解放の段取りを3段階で提案している。

軍によると、ガザとの境界にあるケレムシャローム検問所周辺で5日、ロケット弾攻撃があり、軍は同検問所を通じたガザへの支援物資搬入を停止した。イスラエル側で少なくとも7人が負傷したといい、ハマスは攻撃を認めた。

パレスチナ通信によると、イスラエル軍は5日もガザへの攻撃を続け、ラファでは空爆で民間人数人が死傷した。ガザ保健当局は5日、戦闘開始以降のガザ側死者が3万4683人となったと発表した。(共同)