【ワシントン共同】米ニュースサイト、アクシオスは5日、バイデン米政権がイスラエル軍への弾薬供与を先週停止したと報じた。複数のイスラエル当局者が明らかにした。昨年10月7日にパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まって以降、米国が兵器供与を停止したのは初めて。イスラエル政府は懸念を強めている。

バイデン政権は供与停止の理由を説明していないが、ロイター通信はイスラエルに供与した武器が国際人道法に沿って使われる確証はないとの意見が米政府内部で出ていると報じていた。全米の大学ではイスラエルを支援する政権の姿勢に抗議するデモが続いており、11月に大統領選を控えるバイデン大統領にとって若者の支持低下が懸念材料になっている。

ロイターによると、国務省で人権や難民問題などを担当する4部局は内部文書で、イスラエルによる国際人道法違反への「深刻な懸念」を表明。イスラエルが多くの民間人を攻撃しながら、ほとんど対処していないと指摘した。人道支援従事者やジャーナリストの殺害も問題視していた。

バイデン政権は2月、国際法に違反せず米国提供の武器を使っていると保証するようイスラエルに要求。イスラエルは3月に確約する書面を提出している。(共同)