一方で、全ての小学校に強制はしない。文科省によると昨年度は全国2万313校、学級数は27万1764。「1学級1票」を最少ラインとし、1票の枠組みを広げることも校長の判断に一任することを決めた。

 夏野氏 こんな良い教材は他にないとは思うけど、教育現場に負担を掛ける恐れもある。参加不参加は学校と校長先生の判断。へき地の学校は1学年1人ということもある。その場合、1~6年生で話し合い、学校で1票としても構わない

 事務局によると投票期間は1カ月以上を検討中だ。

 中川は当初、有名な漫画家、デザイナーの指名コンペを提案していた。

 中川 日本は世界的なキャラクター大国。その歴史をつくってきた作家が選ばれるのが五輪だと思った。生まれたマスコットが「アート界の金メダル」になると思っていた。でも毎回、大荒れの議論で、みんなが参加できる重要性が分かった

 夏野氏 「ポケモン」とか既存のキャラを使おうという意見もあった。しかし、権利の放棄が必要で無理だった

 アニメマニアを自称するからこそ中川は、応募作品に無難さは求めない。

 中川 ネット社会だからこそ、イジられて愛されるぐらいのものになってほしい。五輪前からメディアにも出るので、ちょっとヘンテコでイジられてほしい。怖いのは旧エンブレムで炎上したから「今回は炎上しないように」として面白くなくなること。攻めの姿勢で行って!

 夏野氏 癖が強いマスコットは最初は評価されないが、最後はものすごく浸透する。「ふなっしー」みたいに。無難なものになると、後々親しまれない

 今日は「こどもの日」。応募から最終投票まで「東京2020マスコット」は一貫して、子どもが主役だ。【三須一紀】