亜大が史上最大の大逆転初V!/箱根駅伝
<箱根駅伝>◇3日◇復路◇神奈川・箱根町芦ノ湖〜東京・大手町(5区間109・9キロ)
亜大が戦国駅伝を制して、初優勝を果たした。往路優勝の順大に2分51秒差の6位スタートだったが、8区の益田稔(2年)が、順大の難波祐樹(4年)大ブレーキもあって2位に浮上。9区の山下拓郎(3年)が5連覇を狙った駒大の平野譲(2年)をかわして首位に立ち、復路史上最大の逆転劇で総合Vを決めた。67年の初出場から29度目の出場で念願達成。雑草軍団が女子実業団で一時代を築いた岡田正裕監督(60)の指導で花開いた。5連覇を狙った駒大は5位に終わった。
大手町のゴールに「オカダコール」が巻き起こった。最初は岡田監督、そしてアンカーの岡田直の姿が見えると、さらにヒートアップ。部員全員が飛び込んできた岡田にしがみついた。抱え上げると、そのまま胴上げ。雑草軍団が喜びを爆発させた。
岡田監督は「元旦に優勝を狙うぞって言ったら、選手がびっくりしていた。でもその通りになった」と笑顔でメンバーの顔を見回した。高校時代は実績のない選手ばかり。その雑草軍団が、夢をかなえた。往路V順大から2分51秒差で6区の北条がスタートした時、誰が亜大の優勝を想像しただろう。5連覇を狙う駒大も前にいた。しかし波乱が味方する。8区の益田は15キロすぎの坂で山梨学院、中大をかわした後、大ブレーキを起こした順大の難波を発見。心配しながらも「自分にはもうかった」と勝負に徹し、残り1キロで抜いて2位浮上。続く9区の山下が区間賞の快走で不調の駒大、平野を20キロすぎにかわしてトップに立ち、岡田がそのまま逃げ切った。
大混戦の中、全員がしっかりタスキをつないだ。会見でメンバーは「岡田監督のおかげ」と口をそろえた。一緒に寮生活を送る還暦の監督を父親のように慕い、猛練習のメニューを黙々とこなした。岡田監督の故郷、熊本・阿蘇で行う恒例の夏合宿に呼ばれるのは、69人の部員のうち20人だけ。そのメンバーに入れば今度は連日30、40キロ走をこなす地獄の練習が待っている。日ごろの25キロ走では、最後の粘りを磨くため最後の5キロのタイムを競った。それを乗り越えた無名選手たちは毎年、強豪校の花形選手に互角に渡り合う強さを身につけた。
2年前は総合3位。そして念願のVをかなえた。同じ67年初出場の王者駒大の5連覇も阻止。山下は「もっと連覇ができるように頑張る」と威勢よく話した。その言葉を疑う者は、もういない。亜大が雑草軍団から常勝軍団に生まれ変わる。【佐藤智徳】
[2006/1/4/08:47 紙面から]
写真=亜大アンカーの岡田直は両手を突き上げながら箱根駅伝初Vのゴールテープを切る(撮影・浅見桂子)
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