◇1932年ロサンゼルス大会競泳女子200メートル平泳ぎ決勝 1位デニス(オーストラリア)3分6秒3 2位前畑秀子(日本)3分6秒4 3位ヤコブセン(デンマーク)3分7秒1

 水泳競技の女子選手が初めて出場した大会で、前畑がメダルを獲得した。170メートルは米国のゴブエドニックを含めて大接戦。デニスと前畑が抜け出し、1かきの差でゴールした。銀メダルを獲得したが、男子6種目中5種目を制した当時の「水泳ニッポン」では2位は「負け」だった。

 失意から1度は引退を決意したが、周囲の励ましに翻意。1日2万メートルを泳ぐ猛練習で、4年後のベルリン大会で金メダルに輝いた。NHKラジオから流れた河西三省アナウンサーの「前畑ガンバレ」が有名だが、きっかけはロサンゼルス大会だった。日本の女子水泳陣(シンクロを含む)は前畑の2個など過去30個のメダルを獲得。競技別では柔道の28個を上回り最も多く表彰台に立っている。

(2014年11月12日東京本社版掲載)