滝川真由子(27=長崎)がG1初優出Vを飾った。通算3回目の優勝が、うれしいビッグタイトルとなった。この優勝で賞金を加算し、年末のG1クイーンズクライマックス(福岡)の出場圏内に浮上した。2着は中里優子。地元勢は山川美由紀が5着、平高奈菜が6着に終わった。

 荒れに荒れた真夏の女王決戦を制したのは、シリーズ前、伏兵の域を出なかった滝川真由子だった。G1初優出、初優勝の快挙。一躍、一流レーサーの仲間入りを果たした。

 レースは壮絶だった。前日から迷いに迷った進入はダッシュの5カド。展示はスローに入ったが、本番はダッシュに引いた。そこから、コンマ17のタイミングで飛び出すと、中へこみの展開も味方に内へ絞り、インの大滝明日香、2コースの平高奈菜にプレッシャーをかける。1Mは両者が競り合ったところを差した。

 しかし、まだ勝負は付いていなかった。その内を差した6コースの中里優子がじわじわと迫り、1周2Mを先マイ。万事休したかに思えたが、滝川の冷静さがベテランの執念を上回った。2周2Mで差し返し、そのまま、Vゴールに飛び込んだ。「本当にうれしいです。1周目で先頭に立てたので、しっかり最後まで走ろうと思いました。乗りやすさがあったので、2周2Mは全力でターンしました」。レース後は出迎えた九州勢、同期の選手たちが涙を浮かべる中、持ち前の柔和な笑みで喜んだ。

 この優勝で賞金ランクは10位に浮上。年末のG1クイーンズクライマックス(福岡)が視野に入った。「自分でも信じられない気持ちです。この喜びをしっかりかみしめたい。これをきっかけに優勝を重ねていくことが目標です」。長崎から生まれたニューヒロインはどこまで強くなるのか。これからが楽しみだ。【東和弘】

 ◆滝川真由子(たきかわ・まゆこ) 1987年(昭62)9月30日、愛知県生まれ。102期生として08年5月、常滑タイトル戦でデビュー。初優勝は13年2月の戸田タイトル戦。G1は今回のレディースCPが初優出で初優勝。通算優勝3回。158センチ、48キロ。血液型A。