地元のとりでとなった中野次郎(33=東京)が、コンマ04のトップスタートからイン速攻を決めた。 G1は11年4月の平和島周年以来5回目、通算30回目の優勝を飾った。これで「意識してた」という来年3月に地元平和島で行われるボートレースクラシックの出場権を早々と手に入れた。

 イン快勝劇の裏に動揺もあった。「なんで三井所がカドなの?」。スタート展示の3カドには全く気づかず、本番で4カドからやけに伸びる三井所に焦りつつの1M旋回だった。それでも「平和島なら飛んでたパターン。この風と多摩川だから舟が返ってきた。エンジンは抜群、これ強力でいいですね」と数字以上にパワフルな73号機に感謝した。

 昨年12月27日に第1子の長女・百花(ももか)ちゃんが誕生。近況は4節連続優出で3度Vの充実ぶり。「出来過ぎ。でも子供ができて、体重も落として、ペラも何となく分かってきて。気持ちが変わったんですかね。すごく前向きになれた」と完全に復調モードに入った。まだ3月ながら賞金は4位。「年末? 行けたらいいなと思いますけど、1走1走集中して1着を目指したい」。地元で満開の花を咲かせた次郎パパは、愛娘の1歳の誕生日まで着実に、気持ちを切らさずに突っ走る。【窪寺伸行】