平和島ボートのG1開設61周年記念トーキョー・ベイ・カップは明日3日に開幕する。

【天野保彦が迫る】

 充実の1年だった。2015年、山田哲也(33=東京)はここまで出場28節で優出16回、優勝6回。9節連続の優出も果たした。それでも満足はしていない。ビッグ開催でのVがなかったからだ。

 山田 優勝回数では結果が出ている。でも、G1を取らないとインパクトがない。一番の目標はSG優勝で、それを目指すためには常連になること。そのためには、G1周年のタイトルが欲しい。

 賞金面で言えば、一般戦で優勝を積み上げても、SG、G1のV1回に及ばない。「スタート巧者あり」のネームバリューも、ビッグで優勝してこそ上がる。有形無形のプラスアルファがある。

 山田 やはり賞金ランク的には納得できない。一般戦で数多く優勝しても、上位には及ばない。だから、地元の周年はやはり欲しい。平和島の水面とは相性がいいし、特徴は分かっている。地の利はしっかりと生かしたい。

 今年はまだフライングを切っていない。思い切りのいいスリット攻勢には定評があったが、加えて「勇み足」がなくなった。

 山田 今年は「フライングをしない」を目標にやってきた。結果は出ていると思う。エンジン次第では、起こしがついてこないときもあるが、調整や乗り方で対策を考えている。

 平和島では3節連続優勝中。刷り込まれた景色が、的確なスタートにつながっている。出力低減エンジンでの同場参戦は初めてになるが、不安はない。

 山田 出力低減機への対応は、つかめていると思う。変な失敗は少なくなった気がする。低出力のダービー(10月浜名湖)では思うようにいかなかった感じもあるが、そのあたりの経験もしっかり生かしたい。

 ターン回りでは、よりアグレッシブなイメージを目指す。もちろん、ラフプレーとは全く違う。ハンドルに今まで以上に闘志を込めたい。それが、優勝の可能性を広げる。

 山田 今までは、ある意味で遠慮がちにターンしていた感じもある。道中が固いというか、内から回る時とかは、おっかなびっくりで。気を使わずに先マイしたり、少しぶつかってでもいく。ダービーではみんながターンで勝負していたし、気迫が違った。そういった面を出していきたい。ちょっとした気持ちの強さで、可能な範囲を広げたいと思っている。

 勝ちにこだわる姿勢をより強く持つ。いわば「ガツガツターン」か。念願の周年Vがその先にある。

 最近は1字違いの山田哲人が、話題に出ることが多い。それだけ、山田自身も活躍している証拠だ。ボートレーサーのトリプルスリーは、優勝数、ビッグ制覇数、賞金獲得額か。

 山田 う~ん、分かりませんけど、話題になるのは光栄です。同じ山哲なので頑張りたい。

 ニュー山田の周年Vなるか。渾身(こんしん)の勝負をかける6日間が明日、始まる。

 ◆山田哲也(やまだ・てつや)1982年(昭57)10月14日、千葉・印西市生まれ。ボート95期生として04年11月多摩川でデビュー、6戦目で初勝利。09年5月、からつで初優勝。11年に宮島新鋭王座決定戦でG1初Vを遂げる。SGは12年福岡ダービーで優出5着している。同期に河村了、岡村仁、峰竜太、海野康志郎ら。170センチ、51キロ。血液型A。