自信を取り戻した佐藤雅春(29=宮城)が準決でも主導権を奪う。

 今期初戦の7月松阪で落車失格となり、人気薄で迎えた予選7R。残り2周の赤板で飛び出すと、2着に逃げ粘った。「付いてくれた人のおかげだが、2着はでかい。成績に逃げの決まり手がカウントされる。先行選手として認めてもらえる」と興奮気味に話した。早くも失格点を抱えているが「競走得点を100点台にしないと」と気合を入れ直す。

 そして他にも発奮材料に事欠かない。父の義則さん(44期・引退)は車輪を組む名人。時間と神経を割き、S級選手や競輪学校を受験するアマチュアまで幅広く依頼を受けている。もちろん佐藤も父が作った車輪で戦っていて、「しっかり戦うのが恩返し」と気持ちを新たにした。稲村成浩に前を任された準決10Rは逃げの一手で見せ場をつくる。