なでしこジャパンのW杯イヤーが始まった。6月開幕の女子W杯カナダ大会の前哨戦となる国際親善大会アルガルベ杯(3月4日開幕、ポルトガル)に向け、千葉県内で合宿を開始。佐々木則夫監督(56)は11年ドイツ大会初優勝から円熟味を増した「熟女なでしこ」に対し、スタミナ強化を連覇のカギとした。26日にポルトガルへ出発し、海外組は現地で合流する。

 初日から、なでしこは走って、走って、走りまくった。持久力を測定するシャトルランから始まり、全員を4チームに分けて同時にプレーする変則ミニゲームなど、約2時間休むことなく、体をいじめぬいた。

 MF宮間主将は「1度最高の快感を味わっているので、もう1度となる。4年前は味わったことないものでしたが、今回は自分たちでつかみにいくW杯」と言い切る。未合流の海外組を含めた21人中、11年W杯ドイツ大会優勝経験者は16人。銀メダル獲得の12年ロンドン五輪もサポートメンバーを含めると18人。練習前の円陣は「ムダにできる時間はない。自発的にやらないと」の主将の言葉が飛んだ。厳しい鍛錬も快感のため。笑顔すら出てしまう“Mっ気”もなでしこ流だ。

 佐々木監督は「熟練の技術に加えて、スタミナのベースアップ」と、世界の強豪相手に戦う課題を掲げた。過去2年間は若手も試したが、指揮官は経験値に託した。「年齢はあがっても40、50じゃない。マラソンだって30代選手がまだ伸びる」と自信満々。米国、ドイツ、フランスなどのライバルは若手も成長しているが、ここは持続力のある熟女の魅力で、再び世界を制するつもりだ。【鎌田直秀】