ハリルジャパン1号は、FW岡崎慎司(28=マインツ)が決めた! 後半27分から出場すると、同33分にヘディングで先制V弾をマークした。新体制1号は、ザック体制に続く2度目。新戦力が多く名を連ねた先発11人から外れる苦境をあえて歓迎し、FW本田圭佑(28=ACミラン)とのアベック弾で試合を決めた。国際Aマッチ出場数は、FWとしてはカズを超える歴代1位の90試合となった。

 起点となって、フィニッシュまで飾った。岡崎は長谷部からのボールを受け、横にいる香川に預けた。DFの視界から消えるように右サイドを外から駆け上がると、ボールを呼び込んだ。左に流れた本田からの大きなクロスを頭で合わせた。「監督から勝たないと怖いと、脅されていたので」。開始から78分後に生まれた先制弾で勝利へと導いた。

 初陣となったピッチに、不動のストライカーの名前がなかった。前夜のポジション別ミーティングで伝えられ、ベンチスタート。0-0の後半27分に送り込まれたが、岡崎はあえてそんな苦境を歓迎した。「むしろ自分が望んでいたこと。自分たちはアジア杯でもW杯でも出ていた。若い選手にもう1度チャンスを与えるべき。でも自分はもっともっとうまくなりたいし、こういう環境はすごく大事」。不動の存在でないことを、モチベーションに変えた。

 国際Aマッチ90試合目。FWとしてはカズを超えて歴代1位となった。08年10月9日の親善試合UAE戦でのデビューから7年を迎える。ハリルホジッチ監督から求められるFW像も見えてきた。「真ん中で勝負できるFW。組み立ては中盤に任せて、最後のところでポストプレーやゴールを決めること」。通算42得点とし、まだまだ積み重ねていく。

 新体制1号を決めた選手は必ず、直後のW杯メンバーに選ばれてきた。「なりふり構わず成長したい」。ロシアでの座も、勝ち取ってみせる。【栗田成芳】

 ◆日本代表FW歴代最多出場 FW岡崎はAマッチ通算90試合目の出場。FWカズ(三浦知良)の89試合(55得点)を抜いてFWとして歴代単独トップに浮上した。他のポジションを含めると歴代6位で、1位はMF遠藤保仁の152試合(15得点)。