先発を外れたFW本田圭佑(28=ACミラン)が、1得点1アシストで全得点をたたき出した。後半15分から出場。スピードを重要視する新スタイルに適応しようと、前のめりになるほど前線へ走り続けた。同33分、左から出したクロスを岡崎が決めて先制。5分後には自ら宇佐美に出したパスが、岡崎と香川を経由。最後はGKがはじいたボールを押し込んだ。

 「環境が変わる、指導者が変わる。そういうことに順応する力は自分の強さの1つ。たいしてスピードもないし個人技もない。(自分は)プレーは変えていない。組織が変わっただけ」

 本心は決して穏やかではないはずだ。だが途中からでも結果を出す。15年は国際Aマッチ5戦4発。この数字こそが、先発復帰への無言のアピールになった。

 「途中で出た選手が結果を残したことは、監督の質。サブの選手まで準備をさせて、しっかり自分たちの役割を果たせている。(岡崎と)2人が入って、すぐに流れを変えられた。得点という形が出て良かった」

 新監督が求める速さは、本田にない。だが「適応性はある」と言う。「W杯、アジア杯も負けた。何かしらの原因がある。辛抱強く、勝利を続ける」。日本再建へ。1歩、1歩、長い道のりを歩む。【益子浩一】