U-22(22歳以下)日本代表が、U-22マレーシア代表に勝ち、3戦全勝で1次予選を突破した。

 手倉森誠監督(47)が最終予選に導いた。就任から1年3カ月。昨年1月のU-22選手権(オマーン)で初采配した時の印象は「劣悪ピッチや過密日程を言い訳にする選手が多い」。準々決勝の前日は、練習着の日の丸で足をふいていた選手にキレた。「国を背負う覚悟は、そういう細部に表れる。負けちまえ」。優勝したイラクに完敗し8強で散った。

 9月の仁川アジア大会。また準々決勝で敗れた。地元韓国。兵役免除をかけた殺気に圧倒されたが「あの負けから戦う姿勢を見せるようになった」。12月のバングラデシュは野良犬が走るピッチで試合をし、今年2月のシンガポールでは人工芝を経験。「うまいけど勝てない。それじゃ日本を背負えない」。13年のU-20W杯を逃した世代は、高卒のたたき上げ監督に指導され、大人になりつつある。

 この日のピッチもスコールの影響で劣悪。ベトナム-マカオ戦が中断したためアップできなかったが「動じるな」。1次予選は格下に苦しめられたが「まだ未熟だと思い知らされた。これがザ・アジア。しんどい思いをした方が向上心に火がつく。この経験が我々をさらにタフにする」。最終予選まで9カ月、手倉森ジャパンはまだ成長過程だ。