日本代表は12日、バヒド・ハリルホジッチ監督(62)が熱望して実現にこぎつけた異例の1泊2日の代表候補合宿を千葉県内で行った。

 台風の先触れである強風を突いて、重く鈍い衝突音があたりに響き渡った。スペースを限定し、選手が密集する中で行われた、6対6の戦術練習。球際で激しく体をぶつけ合った2人の選手が、もんどり打って倒れた。1人はすぐに立てず、ピッチの外に担ぎ出された。FW武藤嘉紀(22=東京)だった。

 右ひざのすぐ上に、交錯したDF水本のひざが入った。大腿(だいたい)部の強い打撲で、痛みで力が入らなくなった。アイシングなど応急処置をしたがピッチには戻れず、医療スタッフの助けも借りて控室に戻った。

 海外移籍も取りざたされる注目選手のアクシデントに、練習場のスタンドのファンもざわついた。日本協会の広報担当は全体練習終了後「今のところ病院にいく予定はない。メディカルスタッフのもとで様子を見る」と説明した。

 今日13日の2部練習への参加の可否は、直前まで状況を確認して判断される。ハリルホジッチ監督は選手たちに球際の強さ、激しさを求めるだけに、こうしたヒヤリとさせる場面は、今後も代表合宿には付きものになりそうだ。