ドルトムントでチームの4連勝を支えているFW香川真司(26)が1日、チームに合流し、ハリルホジッチ監督からPK獲得の指導を受けた。代表発表時に宣言した通りの指導で、「ゴール前ではまず体を入れろ」など体の入れ方を伝授された。5バックのカンボジアはシンガポール同様、引いて守ることが予想される。エリア内に切れ込むプレーを得意とする香川は、PKを得る確率も高い。

 香川 日本人はある意味、素直な心が出ちゃうけど、ずる賢さも必要。もらいにいくのではなく、ゴール前に仕掛けていく回数を増やして1人1人が思い切り(エリア内に)入り込めば、(PKも)増えてくると思うし何かが起こる。

 ドルトムントは8試合30得点と爆発的な攻撃力を誇り、その核に香川がいる。チームは、マンチェスターU時代のライバル、FWヤヌザイ(20)の加入を発表した。「チームも調子がいい中で競争が増える。絶対に負けられない気持ちです」と香川。好調だからこそ、自然と前向きに言った。

 代表戦へ向けては、雪辱に燃えている。6月のシンガポール戦では再三の好機を決めきれず、最初に交代する悔しさも味わった。今は3カ月前とは別人だ。「今季は監督も代わって、集中してサッカーができている。ドルトでやってるプレーをピッチで出したい」。ブンデスリーガでの勢いを、W杯予選に持ち込んでいく。【岩田千代巳】

 ◆ハリルのPK頼み? 8月27日の代表メンバー発表会見で公式戦ここ4戦勝ちなしを脱する秘策? にまさかの一手、PKを推奨した。「選手に学んでほしいことがある。5カ月日本にいてA代表で4試合、東アジア杯で3試合戦ったが、1度もPKをもらっていない。そのような文化がないのかもしれないが…。私は17歳の時からFWとして長くプレーし人生で多くの点を取った。何度もPKを自分で取りに行った。ボールを見る代わりに相手を見て、相手の前に入る。押されたらPKになる。そうやって点を取って試合に勝たせたこともある。日本代表のFWにも教えてやりたい」と力説した。