リオデジャネイロ五輪に出場するU-23(23歳以下)日本代表の手倉森誠監督(48)が3日、熊本県を訪問。熊本地震で被災し、2日に全体練習を開始したばかりのJ2熊本の練習場を訪れた。

 東日本大震災が発生した2011年にJ1仙台の監督だった手倉森監督は雨中の全体練習前、選手やスタッフを前に「元気や勇気をスポーツを通して伝える使命がある。苦しんでいる方々や生きたくても命を落とした人の分まで、生きがいになっていかなきゃいけない」と語りかけた。

 11年の被災時、仙台の選手にも伝えた言葉だ。この年は復興の願いを胸に一丸で戦い、優勝争いも演じて年間4位の好成績を収めた。「被災地に勇気と感動、喜びを与えたい一心だった。周りの思いで勝たせてもらったのもあります」と振り返る。だからこそ、熊本に対しても「そういうものを一心に集められれば、結果がついてくると思う」と期待する。その後は県内で約130人にサッカー教室を開いた。子供の笑顔に触れ「この状況での希望ですね。笑い声が社会を明るくする」。リオ五輪に向けては「日本の希望にならなければいけない。明るいニュースを届けたい」と決意を新たにしていた。【菊川光一】