日本代表DF長友佑都(29=インテルミラノ)が30日、古巣・東京の練習場で自主トレを行った。人工芝のグラウンドで汗を流し、新シーズンに向けて調整。練習後には、リオデジャネイロ五輪メンバー発表を翌日に控えたU-23(23歳以下)日本代表のDF室屋成(22)やFW中島翔哉(21)らと対面し、8年前のあの頃を思い出した。「もう、心臓バクバクでしたよ。ちゃんと自分の名前を聞くまで分かりませんからね。もう『ソリさん(反町監督)お願いします!』という感じでした」と振り返った。

 08年北京五輪代表として出場した。すでにA代表の岡田ジャパンにも選ばれ、選出は順当と見られていたが、当の本人の心境は意外にも違ったという。メンバー入りを果たした本大会では、1次リーグ3戦全敗という結果で終えた過去は、いまでも苦い思い出。だから伝えたいことがある。

 「五輪では結果を残せなかった。何もできず結果を残せなかったからこそ今の選手たちに言えることは『とにかく何も恐れずに自分を出し切ってほしい』ということ。僕自身初めての世界大会だった。初戦で負けて、冷静さを保てず、パフォーマンスも発揮できなかった。今の選手たちは能力は間違いなく持っている。それを出せるようにしてほしい」。

 かわいい後輩たちへのエールを、直接伝えることもできた。前日29日にU-23南アフリカ戦で復帰した室屋と中島。特に室屋は明大の後輩でもある。「けがをしていて試合に出られたことに喜びを感じていた。明日のメンバー発表には緊張していましたけど、選ばれたら『日本をよろしくお願いします!』と伝えておきましたよ」。8年前に自身が果たせなかった分まで、後輩たちに日本の命運を託していた。