バヒド・ハリルホジッチ監督(64)率いる日本(FIFAランク49位)が、敵地でタイ(同120位)に2-0で勝ち、W杯ロシア大会アジア最終予選で初勝利を挙げた。

 FW本田圭佑(30)のW杯予選の連続ゴール記録が途絶えた。出場した予選は昨年9月3日の2次予選カンボジア戦から7戦連発中だった。この日も1点リードの前半24分にFW浅野が左サイドを突破し、ゴール前に飛び込んだところに高速グラウンダーのパスが来た。あとは得意の左足で合わせるだけだったが、ボールはゴール前を通過して転がった。痛恨のシュートミスで追加点をフイにした。

 本田 そこまで(ボールが)跳ねた感じでもなかった。空振ったのでね。なんでそうなったか映像を見て確認したい。勝てて良かった。これで負けていたら僕のせいだった。

 まだ完成形には程遠い。日本は1日UAE戦と2戦で3得点だけ。前回の14年W杯予選は最終予選の最初の2戦で9得点、10年W杯予選は4得点。この日も前半ロスタイムに本田と香川で作った決定機を決めきれず、後半も攻撃陣が次々と絶好機を外し続けた。格下タイに圧倒的に攻めながら、浅野の追加点が生まれるまでもがき苦しんだ。

 本田 攻撃は反省するところが多いけれど、守備は0点に抑えたのですから完璧に近い。もっと成熟したチームにならないといけない。そこがまだ足りない。でも攻撃陣は、今日に近いくらいチャンスを作ればいい。(相手の力が上がり)スペースができればできるほど、チャンスが増えるサッカーはしている。

 W杯予選8戦連発は逃し、後半40分に途中交代。歓喜の余韻に浸る間もなく、試合終了から10分ほどで着替えを済ませ、現地ファンが集まる騒々しいスタンド下で、大量の汗を流しながら取材に応じた。すぐにイタリアへ戻り、1カ月後には再びアジアの厳しい戦いが待ち受ける。世界のトップを目指すために、立ち止まる暇はない。【益子浩一】