日本代表の岡田武史監督(51)が、26日のW杯アジア3次予選のバーレーン戦に向け、千葉MF坂本将貴(30)をリストアップしていることが6日、分かった。自らバーレーンを視察する前、代表スタッフに情報収集を指示した。レギュラーが定まらない左サイドバック(SB)として注目。招集されれば、ラモスら日本国籍取得組を除けば、史上初の30代で初代表に選出される快挙となる。

 岡田リストに「坂本」の2文字が入っていることが判明した。左SBを探している同監督は、1日の千葉-甲府戦に大木コーチを派遣。当然、左で1-0の勝利に貢献した坂本の活躍は報告され、ビデオでもチェックされている。

 機は熟した。坂本が自らの力で「最年長初代表」を引き寄せる。候補だった浦和の三都主が、左足付け根のけん断裂で長期離脱したのも追い風か。30代で代表初選出はジョージ与那城とラモスだけだ。「まさか、僕はないですよ」と笑ったが、8日は難敵G大阪と対戦。選考までの2戦で結果を残せば、30歳にして代表初選出も夢ではない。

 現在、代表左SBレギュラー駒野は本職が右SBで、クロスの精度が落ちる。東アジア選手権では加地を左で試したが、不発に終わった上、この日負傷した。紅白戦では今野や水本が起用されるなど、事実上「空白」だ。坂本は本来は右利きだが、大門小4年の時に右足首を骨折し、浦和東高では右足首の手術を受けるなど、右足の負傷が続いた。そのため、左足でボールを蹴ることが多くなり、左の精度が上がった。ケガの功名で、左サイドをえぐり、足を入れ替えなくてもスムーズに左足から正確なクロスが上げられる。

 「もう30歳になったし、体のケアには気を使うようになった」。知人に聞いて横浜FCカズのトレーニング法をまねたり、練習後は1時間以上も入念に体をチェックする。食事にも気を使い、天ぷらは衣をはがしてから食べる。

 代表とは無縁だ。3年前に、東アジア選手権の予備登録メンバーに入ったが落選。予備で作られた当時の代表ユニホームをもらい、記念写真を残している。写真でしか実現しなかった日本代表。坂本が、実力で夢をつかむ日が近づく。