日本代表の顔ぶれが、6月のW杯アジア3次予選4連戦を前に大幅に入れ替わる可能性が出てきた。千葉合宿最終日の23日、筑波大と練習試合を行い、岡田ジャパン初招集のMF香川、FW永井、赤嶺がゴールを決め、3-0で勝利を収めた。試合後、岡田武史監督(51)は「1、2人じゃなく非常に入ってくると思う」と初招集組の残留を示唆。一方で5月中旬予定の合宿から欧州組を呼ぶことも明言した。メンバーも「オレ流」に再編することが確実になった。

 新戦力が鮮烈な輝きを放った。代表生き残りをかけた筑波大戦。今合宿初の実戦舞台で突破口を開いたのは19歳の香川だった。開始9分、左サイドのDF駒野にパスを要求し、ゴール前に飛び込んで左足で決めた。24分には自らの意思で右から左サイドに大胆にポジションチェンジ。「センスや技術は素晴らしいと思っていたが、メンタルもタフ」と岡田監督も驚いた。

 香川の活躍にほかの新顔も発奮した。後半10分にはFW永井が、巻の浮き球パスを右足で決めた。同42分には赤嶺が、MF中村憲の左クロスを頭で流し込んだ。3得点はすべて新戦力がたたき出した。心を激しく揺さぶられた岡田監督は試合後、迷わず断言した。

 岡田監督

 10人くらい呼んだことのない選手を呼んだが、1、2人じゃなく(今後)非常に(チームに)入ってくるんじゃないかと思っている。一緒にやって初めて分かる驚き、新しい発見があった。

 昨年12月の就任後、オシム前監督時代のメンバーを軸に招集してきた。しかし、0-1で敗れた3月のW杯アジア3次予選バーレーン戦後に「オレ流」を宣言。今回は自らが希望する人材を数多く呼び寄せた。その選手たちが次々と結果を出した。中盤で好パスを連発したMF茂原についても「ほかの人にないアイデアがある。パスコースも1つ先を見ている」と高評価した。

 5月の合宿とキリン杯、6月のW杯アジア3次予選4連戦には欧州組も招集する。既にセルティックMF中村、ルマンMF松井らには招集を打診している。その上で「日本国籍で、いい選手なら、国内外問わず(代表に)入ってくる可能性がある」と明言。今回の新戦力に欧州組が加われば、代表メンバーの顔ぶれもガラリと変わる。

 香川は試合後「もっと点を取りたかったし、まだ物足りない。この経験を生かすことができれば、次もあると思う」。岡田ジャパンの真のサバイバルがこの日、幕を開けた。【村上幸将】