清水では11年ぶりの、W杯予選戦士の誕生だ。DF高木和道(27)が3日、日本代表オマーン、タイ遠征(~15日)メンバーに追加招集された。岡田ジャパンには4月の代表候補合宿で追加招集されているが、代表入りは初。清水では97年にフランスW杯予選を戦ったDF斉藤俊秀(現湘南)以来のW杯予選メンバーとして、岡田ジャパンを支えていく1人となる。

 高木和の初代表は、本人も驚きの追加招集だった。2日就寝前に代表入りを告げられた高木和はこの日午前、雨の中でダッシュなどのフィジカルトレーニングを約1時間行った。その後「いろいろ体感してきます」と急いで代表合流。W杯切符獲得のため、オマーン、タイと続く長旅に出た。

 W杯予選代表の選出は、清水ではフランスW杯予選のDF斉藤(現湘南)以来11年ぶりとなる。現役時代にW杯予選を経験し「(雰囲気は)独特ですね」と話す長谷川監督は「なかなかW杯予選を経験できるチャンスはない。出る出ないは別にして、非常にいい経験になると思う。1回入って経験するだけでプラスになる。出るつもりで行ってほしいと思う」。親善試合とは違う、国の威信をかけたW杯予選へ向かう高木和にエールを送った。

 W杯予選を戦う日の丸の重みを、高木和も十分理解している。「チャンスやとと思うし、なかなか代表に呼ばれる機会もないと思うので、できることをしっかりやりたい」。この日の練習終了時には「行ってきます。ナビスコ予選突破しておいてください」とあいさつ。仲間の拍手を背に、急いで代表へと向かった。

 その日本代表は、2日のオマーン戦(日産ス)で勝利。4大会連続のW杯出場へ一歩近づいたが、3次予選は3試合も残っている。最終予選進出へ、このアウェー2試合は重要な意味を持つ。「自分のプレーを見せたい」。岡田ジャパンの一員として、オレンジ軍団の主将が日本サッカー界の未来を切り開いていく。【浜本卓也】