岡田ジャパンにとってW杯最終予選は因縁ロードになる。抽選の結果を聞いた岡田監督は、広報を通して「初戦はバーレーンとアウェーで当たる。前回と同じ間違いを繰り返さないようにしたい」とコメントした。3次予選でも同組だった難敵には3月のアウェー戦で、いいところなく0-1で敗戦。岡田監督解任論も高まった。6月22日のホームでの再戦を前に同監督は「あの屈辱は絶対に、一生忘れない」と話していた。そんな因縁の相手との一戦で、最終予選の火ぶたが切られることになった。

 対戦国との因縁はこれだけではない。強豪オーストラリアは国名自体が日本にとってのトラウマだ。06年にドイツW杯1次リーグ初戦で対戦。肉体面、技術面で圧倒され、1―3で逆転負けした。07年7月のアジア杯準々決勝で、一応のリベンジは果たしたが、相手は酷暑のベトナムに真冬の南半球から訪れていた。今回は条件互角のホーム&アウェー形式。苦手意識は薄れていても、厳しい戦いになるのは確実だ。

 10年の時を超えてよみがえる因縁もある。ウズベキスタンは、97年第1次岡田政権の初戦の相手。就任直後にW杯最終予選でアウェーで対戦し、1-1で引き分けていた。前任の加茂監督時代から4戦連続白星なしの苦境は、岡田監督の指導者人生の中でも、最も苦しい時期の1つだった。

 カタールとは過去5回対戦し、日本は3分け2敗と未勝利。元浦和のFWエメルソンが、カタール国籍取得で日本に立ちふさがる因縁もある。岡田監督は「オーストラリアの情報は持っている。ウズベキスタンやカタールについても、映像を見て、ある程度のことは分かっている」と話した。8試合すべてがいわくつきの長丁場へ向け、知将が万全の準備を進める。