【エンスヘーデ(オランダ)3日】日本代表MF中村俊輔(31)が、5日のオランダ戦でゴールを決めて、世界への扉をこじ開ける。W杯過去3大会でオランダとの大会直前の親善試合で得点したチームは、すべて決勝トーナメント進出を果たしている。中村俊は3日の練習後、今季初めての居残りFK練習を敢行。エスパニョール合流後、練習量の低下もあってやや低調だった、得意の左足キックの精度とキレをアップさせた。06年の欧州CLでマンチェスターU相手にも決めた必殺の一撃で、世界トップクラスの強豪のゴールを再び脅かす。
伝家の宝刀に、鋭い切れ味がよみがえった。3日の全体練習終了直後。FK特打ちを行っていた中村俊は、17本目を蹴った瞬間に、自らのキックに驚き、思わず声を上げた。「あ、すげえ曲がった!」。コースはゴール正面だったが、あまりに鋭いカーブはGK川島の目測を誤らせ、手元をすり抜けて、ゴールネットを揺らした。
「よく分からない。でもああいうのが徐々に多く出るようになってきた。枠に行くとかよりも、ああいうキレのあるボールがでるのが大事」と中村俊。いい感覚を体に覚えこませるように、その後さらに4本を蹴った。「ずっと居残りができなかったから、いい練習ができた」。エスパニョール移籍後2カ月間、慣れない環境での疲労蓄積に配慮し、居残り練習を封印。その分FKの感覚を取り戻すのに苦労もしていたが、特打ちが威力と精度をよみがえらせた。
オランダ相手に得意のFKが決まれば、W杯決勝トーナメントの“前売チケット”をゲットできる。98年フランス大会以来、オランダはW杯直前の1年間に行われた親善試合で、わずか1敗しかしていない。オランダから貴重な1勝を挙げたイタリアは、直後の06年W杯で見事優勝。勝てないまでも、オランダ相手に得点を決めたチームは9カ国すべてがW杯1次リーグ突破を果たしている。
98年大会のナイジェリアは、優勝候補の一角スペインを下して1次リーグを突破。06年大会のオーストラリアは、32年ぶりの本大会出場でいきなり16強に進出した。南アフリカ大会で4強入りを目指す岡田ジャパンも、決勝トーナメントの1枠を“予約”できるのか-。オランダ相手のゴールはその吉兆になる。
「いいところでチャンスがきたら、せっかくだから決めたいよね」。前向きな言葉はFKの手応えがよみがえった何よりの証拠。中村俊が必殺の一撃で、W杯決勝トーナメント進出「当確」ランプを点灯させる。【塩畑大輔】

