新生日本代表の「代行監督」でのスタートという非常事態に、各Jクラブも選手派遣の対応に戸惑いを隠せなかった。特に親善試合前後の9月1、8日にナビスコ杯準々決勝を控えるクラブの思いは複雑だった。

 G大阪の西野監督は25日「選手の派遣は全面的に(協会を)サポートする」とした上で、「一番考えなければいけないのは選手のモチベーション。代表のコンセプトが分からない中で(代表に)行けというのは簡単だけど、選手がどう思っているかは考えてやりたい」と、選手と話し合う場を設けることを示唆した。

 清水の望月強化育成本部長は「ナビスコ杯に出場する8クラブに関しては、平等になるようにしてほしい」と話した。24日に原委員長から電話で報告を受けたという川崎Fの庄子強化部長は「呼ばれたら辞退させることはない」と明言した上で「2日の合流とか、各チーム1人とか特例があるとうれしい」と要望した。

 一方、代表選手の心境も複雑だった。横浜DF中沢は「自分が(代表に)選ばれるかどうか分かりませんけど」と前置きした上で「日本がどういうサッカーを目指すのか、ビジョンも説明されないままというのはきつい」と選手の立場から本音をもらした。さらに「4年間やってきたことが切れてしまうのは良くない。(強化方針は)継続性を持っていてほしい」と訴えた。