日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が5日、インテルミラノに移籍した教え子のDF長友佑都(24)に本拠スタジアム、ジュゼッペ・メアッツァ(通称サンシーロ)の「魔物」への心得を伝授していたことを明かした。

 この日、自宅のあるイタリア・チェゼナティコ市から、アジア杯優勝で街の名を世界に広めたとして特別表彰された席で明らかにした。

 ザック監督

 サンシーロは難しい。どれだけ練習で準備しても、あの場所に立つだけで緊張し、力を出せなくなる選手が多い。長友にも伝えている。

 1925年建造で、イタリア最大の8万人を収容するスタジアムだ。伝統の重みと、殺気立ったサポーターたちのプレッシャーは想像以上。インテルで活躍するために最初に乗り越えなければならない壁だ。

 一方で、長友が本来の力を出せば活躍は約束されていると援護した。「長友は(サイドバックを務めていた)昔のレオナルド監督のようだ。頭の良い選手だし、明るい性格でチームに溶け込める」と話した。就任直後には「日本人にはマリーシア(ずる賢さ)が足りない」と話した課題にも、「(長友ら欧州でプレーする選手が)ヨーロッパの選手から学び取って、日本代表を変えてくれるだろう」と期待を込めた。(波平千種通信員)