Jリーグがザックジャパンの南米選手権(7月1~24日、アルゼンチン)出場に「条件付き」で協力することが決まった。12日、東京・文京区のJFAハウスでJ1実行委員会を開き、日本協会の小倉純二会長(72)原博実強化担当技術委員長(52)らが同選手権出場を実行委員に直接要請した。東日本大震災の影響で、本来中断期間だった7月にリーグ戦が行われるため、Jリーグ側は「一定数以上の海外組を招集できれば協力する」という条件を提示。海外組の大量招集が実現できなければ辞退することになる。

 ザックジャパンがJリーグから「条件付き」で南米選手権出場の協力を得た。この日のJ1実行委員会は約3時間にわたって行われ、日本協会の小倉会長、田嶋副会長、原委員長も出席して同選手権出場への協力を要請。会議後、Jリーグの中西事務局長は「(7月の)Jリーグの価値が落ちないこと、(代表招集で)クラブ間の不公平感が出ないことを前提に参加を支持する結論が出た」と話した。

 協力するための条件は海外組の人数だ。原委員長は「細かい人数は調整中のため言えないが、欧州組をある程度の人数以上集めてほしいということ。ただ、海外組だけでは代表を組めないので、その上でJリーグにも協力をお願いした」と明言。同選手権は日程的に、J1の最大5試合と重複する可能性がある。リーグ側の負担減を考慮して国内組の招集を最小限に抑えるため、チーム編成は海外組中心。南米選手権の選手登録は22人で、登録人数の3分の2前後を海外組で占める必要が出てきそうだ。

 東日本大震災の影響でJリーグが7月に開催され、さらに日本が南米選手権に招待参加で、欧州組の招集拘束力がなかったため、日本は1度は辞退の意向を南米連盟に伝えた。だが、同連盟と開催国アルゼンチンから「日本の海外組の招集に拘束力をつけるようにFIFAに働きかけ、欧州各クラブとも責任を持ち交渉する」と打診されて、日本協会は参加を再検討していた。

 今後は15日までに日本代表のザッケローニ監督と原委員長が話し合い、海外組の招集希望リストを作成。南米連盟に送り、南米連盟がFIFAや選手の所属クラブと交渉を始める。海外組招集の可否決定期限は4月末から5月初旬ごろになる見込み。中西事務局長は「(海外組が集まらなければ)出場辞退ということ」と強調したように、南米連盟の海外組招集の交渉が成功して初めてJリーグの協力が得られるという変則的な結論に至った。