ロンドン五輪に出場する男子サッカー五輪代表が、7月11日に国立で韓国五輪代表と壮行試合を計画していることが15日、分かった。既に韓国協会に打診しており、今後条件面など具体的な詰めの作業に入る。日本は14日、バーレーンに2-0で勝って五輪出場が決定。韓国とは、現在のロンドン組が4年前のU-19(19歳以下)アジア選手権準々決勝で0-3で惨敗し、世界への道を絶たれた因縁がある。因縁に決着をつけ、五輪メダルへ弾みを付ける。

 44年ぶりの五輪メダルへ、最高の舞台が整う。5大会連続五輪出場を決めた日本が、洪明甫(ホン・ミョンボ)監督率いる韓国五輪代表に対戦を要請した。日本協会・田嶋幸三副会長はこの日「五輪出場を決めたばかりで、マッチメークはこれからです。しっかりとした形で発表したい」と話したが、実は、既に今月初め、韓国に対戦の可能性を打診していた。今後、両協会間で日程調整などの詰めの作業を行い、合意すれば因縁の対戦が実現する。

 08年10月。今の五輪代表年代で構成されたU-19日本代表は、U-19アジア選手権準々決勝で韓国に0-3で完敗した。翌年のU-20W杯出場権がかかった大会で負けたことで、それまで7大会連続本大会出場していた日本は、世界への切符を逃した。当時主将だったGK権田は「みんなに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。壮行試合の相手として韓国は、望むところ。ぜひ実現してほしい」と目の色を変えた。

 オーバーエージや海外組招集など、メンバー構成はこれからの作業となるが、壮行試合は五輪代表18人がエントリーされる初めての実戦になる可能性がある。韓国はドリームチームと評されるほどレベルが高く、A代表にも10人近く名を連ねるほどの強豪。五輪前に日本で実施される最後の試合で、強敵を破れば、最高の状態でロンドンに乗り込むことができる。

 さらに、開催予定日の7月11日はなでしこジャパンも同所で壮行試合を予定しており、男女ともに韓国(韓国女子は五輪予選敗退)が相手になる可能性もある。ライバルとの一戦となれば、国立は当然超満員が予想される。5万観客の前で、女子が相手を圧倒し、男子が因縁に決着をつければ、史上初の男女アベックメダルも夢ではない。

 ◆過去のU-23(23歳以下)日韓戦

 五輪に年齢制限が設けられてからは、過去13度対戦し、3勝4分け6敗。92年1月のバルセロナ五輪最終予選(山口芳忠監督)で初対戦し、0-1で負けるなど5連敗スタート。04年以降は、4戦1勝3分けと負けなし。