<トゥーロン国際:日本2-3エジプト>◇1次リーグA組◇27日◇フランス・ル・グランスタジアム◇40分ハーフ

 【ル・ラバンドー(フランス)27日(日本時間28日)福岡吉央】日本がエジプトに敗れ、1勝2敗でA組最下位となり、1次リーグで敗退した。MF宇佐美貴史(20=Bミュンヘン)が2得点を挙げたが、この日もセットプレーや左サイドから3失点。3試合で計7失点と守備面での不安を露呈した。2カ月後に迫った五輪本番に向け、オーバーエージ(OA)枠の使用も含めたDFラインの修正が必要となりそうだ。五輪代表は翌28日朝、マルセイユから帰国の途に就いた。

 世界との差は歴然だった。関塚ジャパンが、今年2月にスペイン五輪代表に1-3で敗れているエジプト相手に3失点。トルコ戦、オランダ戦に続き、セットプレーと左サイドを崩されて失点を重ねた。

 関塚監督

 左サイドの修正がきかなかった。フリーキックで失点してしまって…。それが現実だと思う。7失点というのが1次リーグ敗退(の原因)になった。失点を同じような形で重ねたら勝てない。

 五輪本番まで2カ月を切った。最終ラインの強化、修正は時間との闘いになる。ポイントは、球際で激しく、クロスにも対応できるDF田中マルクス闘莉王(31=名古屋)DF吉田麻也(23=VVV)や、1対1で強さを発揮する長友佑都(25=インテルミラノ)のような選手をOA枠で起用できるかどうかだ。

 A代表の先発でもある海外組の招集を、ザッケローニ監督が認めるかどうか。一方で、関塚隆監督(51)が既存メンバーに限界を感じれば、OAで補強するしかない。

 エジプト戦では前半31分、ペナルティーエリア内での間接FKからFWエイドに決められ、同37分にも左サイドから失点。後半33分、再び左サイドからのFKで失点した。

 DF鈴木は「フリーで(クロスを)上げられるところが問題。中の対応も甘かった。細かいところをやっていかないと、個で突破された時に対応できない。どう守るか意思統一しなきゃいけない」と分析。DF酒井も「失点はコミュニケーション不足。1・5列目から出てくる選手をどうするか、ボランチとセンターバックで話し合わないと」と課題を挙げた。

 関塚監督は「これからしっかり映像を見て、戦術的なところも含めてメンバーを決めたい」と言った。攻撃陣の中から「セットプレーは、もっと中の人が弱点として感じないといけない」という声が出た。守備力への危機感はチーム全体の緊急課題となった。