日本代表の左サイドに、またしても暗雲が漂った。左膝の故障を再発させたセリエAインテルミラノDF長友佑都(26)の検査結果が15日、クラブ側から発表された。「左膝外側の半月板損傷」と診断され、手術を受ける可能性がさらに高まった。手術となれば全治数カ月となることは避けられず、今季絶望もありえる。6月のW杯アジア最終予選、コンフェデ杯出場も危ぶまれ、日本代表にとって大きな誤算になる。

 長友の左足は、やはり重傷だった。わずか7分間の出場に終わったカリャリ戦から一夜明け、ミラノ近郊の病院で精密検査を受けた診察結果は「左膝外側半月板損傷」と、クラブから発表された。これにより、インテルミラノを長く取材する地元紙の記者は「すぐに手術だろう。間違いない」と話すなど、近日中にもオペを受ける可能性がさらに高まった。今季絶望もありえる状況となった。

 これまで自然治癒による保存的治療で復帰を目指していたが、手術への方針転換を余儀なくされそうだ。2月27日のACミラン戦で負傷後「左膝外側半月板と靱帯(じんたい)損傷」で全治1カ月と診断。軽微な損傷により、即手術を選択しない治療方法で専念してきた。約1カ月のリハビリを経て復帰にこぎつけたが、復帰戦でさらに悪化させた形となった。今後は手術も視野に入ってくる。

 長友の状態を受け、日本協会の原技術委員長は「残念。せっかくもどってきたのに。これからクラブのドクターと本人が話し合うだろう。もし日本で(治療)となれば手伝う。無理してやるよりも、しっかりと治療した方がいい」と話した。また欧州視察中の日本代表アルバレッラ・コーチが、負傷したカリャリ戦をスタンドで視察。状況なども含めた情報が、協会にも入ってきている模様で、バックアップ体制を整えることになりそうだ。

 15日付の地元紙も長友に触れ、ガゼッタ・デロ・スポルト紙電子版は「長友はシーズン最後までストップということになるかもしれない」。コリエレ・デロ・スポルト紙電子版は「長友は手術を受けなければならなくなるし、シーズン絶望だろう」と報じた。日本代表にとってW杯予選オーストラリア戦(6月4日)、イラク戦(同11日)でも長友不在の可能性は高まった。またしても左サイドを欠いたままW杯予選最終局面を迎えるザックジャパン。不安材料がなくならない。