日本代表DF吉田麻也(24=サウサンプトン)が、キング・カズ(三浦知良)から“帝王学”を学ぶ。23日に国立で行われる「ほけんの窓口プレゼンツ

 藤田俊哉送別試合」に出場し、カズ、藤田俊哉氏、中田英寿氏、中山雅史氏らに、W杯までの1年間の過ごし方、目前に迫ったW杯アジア最終予選オーストラリア戦(6月4日、埼玉)への心得などを学び、実践する。ザックジャパンの守備の要が、新旧融合でさらなるパワーアップを図る。

 藤田氏の引退試合には、中山氏、中田氏、名波氏らW杯を経験した代表OBも多く出場する。その偉大な先輩たちから、吉田が助言を受ける機会を得た。引退試合への参加オファーを快く了承した上で「試合前後に交流できる時間を設けてほしい。先輩たちの経験値を自分のパワーに替えたい」と要望してきた。

 藤田氏は「(名古屋時代に)1年目から、僕もランニング中に並んでいろんなことを聞かれた。プロとして精神面の鍛え方とか、サッカーの話を深夜までしたことも何度もある」と吉田の貪欲な姿勢を高く評価。そして「今回もカズさん、ゴンさん、ヒデとかに、いろんな話を聞きたいようです。もちろん時間は設けます」と話した。

 練習中に腹筋を痛め、4日のトットナム戦を欠場した。リーグ戦連続出場は31試合で途切れたが現在、復帰に向けて調整する。長年現役を続ける46歳カズには「コンディションのつくり方を聞いてみたい」。さらに「リーダーとしての心得も聞きたい」と意欲的だ。加えて代表のDFラインを仕切る立場として、より統率力を高める必要性を感じている。失点を防ぐことが最優先だが、仮に失点した直後にDFラインをどうまとめるか。加えてメンタル面のアドバイスも求め、吸収したい気持ちが強い。

 6月は大事な日本代表月間だ。まずはオーストラリア戦を前にモチベーションの高め方も教わり、実践したいところ。さらにW杯ブラジル大会まで、あと1年あまり。大会までの過ごし方、本大会中の話も聞き出し、イメージトレーニングとして生かしたい。

 この1年、世界最高峰のプレミアリーグで貴重な経験を積み、技術面も精神面も世界トップに近づいている。そこに先輩の経験が加われば、大きな刺激とともに選手としてのスケールは大きくなるはず。吉田の成長とともに、ザックジャパンがグレードアップする。【盧載鎭】

 ◆吉田の現状

 練習中に腹筋を痛めたため、4日のトットナム戦ではベンチ入りしたものの出場機会がなく、リーグ戦連続フル出場は「31」で途絶えた。だが、クラブ広報によると12日のサンダーランド戦出場には支障がない見通し。加入1年目にして、残留を目指すクラブにとって不動のセンターバックとして地位を確立している。また、日本代表では3月26日のW杯アジア最終予選ヨルダン戦で2失点目のきっかけを与えたものの、ザッケローニ監督の信頼は厚く、代えの利かない存在だ。