<コンフェデレーションズ杯:日本0-3ブラジル>◇1次リーグA組◇15日◇ブラジリア

 日本代表MF香川真司(24=マンチェスターU)が自らにダメ出しした。敗れたブラジル戦にフル出場したが、シュートは0本。本来の攻撃力を発揮することはできず「自分が腹立たしい。この前(昨年10月)よりもはるかに重い敗戦」と受け止めた。世界との差をあらためて肌で感じ「収穫は…出てこない」というほど、屈辱的な結果だった。

 自らがふがいなかった。香川は試合終了の笛が鳴ると、顔をしかめ、頭を抱えた。歓喜に沸くブラジルには目もくれず、給水ボトルを地面に投げ捨てると、誰よりも先にロッカールームに向かった。スタンドの歓声も耳には入らなかった。

 「これくらいの差があるのかと思うと、すごく悔しい。真剣勝負の中でチャレンジできなかった。消極的なサッカーになったことに尽きる。この前よりもはるかに重い敗戦です…」

 開催国ブラジルとの開幕戦。左サイドで守備に追われていた香川は前半、自陣に引いたまま、なかなか攻撃に出られなかった。後半はドリブルからファウルを誘い、2度FKのチャンスは作ったが、日本の持ち味である流れるような攻撃は数回だけ。本田との距離も遠く、リスクを冒した攻撃ができなかった。最後まで攻撃の起点になれず、シュートも0本。「収穫は…出てこないですね」と、声を振り絞った。

 「前線の中で誰かが起点になって仕掛けないといけないが、その作業ができなかった。すごく責任を感じるし、もったいない。真剣勝負の中でチャレンジできなかった自分がすごく腹立たしい。出てくることはすごくマイナスなこと。精神的なもろさが出た。この前の方が収穫があった」

 W杯を1年後に控え、突きつけられた現実。それでも「これで終わりじゃない。W杯でも初戦で負ける可能性は十分あるし、次のイタリア戦に切り替えていかなきゃいけない。俺たちはもっとやれる」。次は中3日でイタリア戦。積極的な攻撃で、本来の姿を取り戻すしかない。【福岡吉央】