日本サッカー協会は21日、なでしこジャパンの欧州遠征(26日イングランド戦、29日ドイツ戦)メンバー18人を発表し、MF澤穂希(34=INAC神戸)が左座骨結節付着部(左足付け根)の違和感で外れた。前日20日のニュージーランド戦(1-1)で315日ぶりに代表戦のピッチに立ったが、わずか1試合で離脱することになった。チームは今日22日、欧州へと出発する。

 試合一夜明けのチーム練習に、澤の姿はなかった。鳥栖市内の病院で検査を受け、そのまま神戸へ戻った。協会を通じ「しっかり良い状態に戻り、また代表に呼んでもらえるように頑張ります」とコメント。欧州遠征では、まだ1度も勝ったことのないイングランドへのリベンジを楽しみにしていたが、それもかなわず治療に専念する。

 16日になでしこリーグ杯の新潟戦を戦い、17日から始まった合宿では男子学生と練習試合を行った。5日間で3試合。疲労の蓄積が違和感となった。佐々木監督は「大事をとって遠征は行かない。これが世界大会ならケアしながらできるが、今後が大事なので」と説明。ケガの状態を最優先しながら、来月下旬の東アジア杯で再招集できるか検討していく。

 ただ大黒柱の不在により、かえってチームは一丸となった。守備的MFでコンビを組む阪口は「頼っている部分も少なからずあったので、穂希ちゃんの分もしっかり頑張りたい」。ドイツ1部得点王のFW大儀見も「代わりに出るのはもっと攻撃的な選手が多いので、パスを引き出す動きで、良さを出してあげたい」と、ピンチをチャンスに変えるべきだと力説した。

 ニュージーランド戦では宮間の退場という不運はあったが、チームとしての良さは出せなかった。欧州の強豪を相手に正確なパス回しやコンパクトな守備といった持ち味を発揮できるか。澤頼みからの脱却へ、真価が問われる。【千葉修宏】