<東アジア杯:日本3-3中国>◇21日◇ソウルW杯スタジアム

 やられたらやり返す。取られたら取り返す。それはDF栗原勇蔵(29=横浜)にとっても、中国にとっても同じだった。前半33分。左CKの場面、FW工藤の折り返しをゴール目の前で待ち受けた。前のめりになりながら首を伸ばして、左上に頭でねじ込んだ。立ち上がり早々にPKを献上して先制を許したが、帳消しにするゴールだった。

 前半5分にクロスボールをクリアしたが、中途半端なボールを拾われ2次攻撃を食らった。そしてゴール前での1対1で抜き去られ、後方から食らいつく苦肉の策はファウルしかなかった。力ないクリアで自ら招いたピンチから、負けてはならない1対1で敗れ、痛恨のPKを献上。その展開で得たセットプレーで1度はリベンジした。だが、相手も黙っていなかった。

 2点リードから1点差とし猛攻を受けた後半42分。右からのクロスに飛び込む相手をつけきれず、再び失点に絡んだ。「3点目は自分がつききれなかった。ポジショニングが悪くて。そこは日本の課題だし、自分の課題。ふがいないというか、責任を感じている」。潔く認め反省した。

 サバイバルと位置づけられたセンターバックは日本の課題でもある。自身以外の3人はザックジャパンでは新顔。常連組の栗原にとってはアドバンテージがあるとともに、結果を残さないといけない立場に「この1年が勝負の年。一気にレギュラーを取るチャンス」と主力の吉田と今野を脅かすべくゲームに入った。ただザックを悩ませるほどの印象は残せなかった。