本格的な冬を迎えつつあるベルギーで蛍が光った!

 日本代表のMF山口蛍(23=C大阪)が、救世主としてレギュラー取りに名乗りを上げた。日本のボランチは長谷部&遠藤が絶対的存在だったが、16日オランダ戦で序列を崩して先発。後半から、長谷部と遠藤が交代しても山口だけは最後までピッチに立ち続けた。

 「欧州組がいる中での先発は初めてだったので最初は緊張がありました。(先発を)言われたのはミーティングの時。まず勝つことで、精いっぱいだった」

 どんな暗い場所でも光を放てますように-。そんな願いを込め、蛍と名付けられた。低迷し、暗い雰囲気が漂う日本を照らしたのはまさしく「蛍」だった。

 国内組だけで臨んだ7月の東アジア杯MVPだが、海外組を交えた“レギュラー”に入ったのは初めてだ。緊張が解けない前半11分にパスミスはあったが、その後は持ち味を出し切った。同39分に長谷部のプレスが緩くなり、警戒していたはずのロッベンに決められる一方で、山口は失点に絡むミスは1つもなかった。

 「まだまだ出せていない部分の方が多い。もっと自分の良さは出せると思う」

 真価が問われるのは中2日で迎えるベルギー戦だ。オランダ戦から一夜明けた17日は、ゲンク市内で現地在住の日本人の子供たちと交流。山口は笑顔を見せながら軽く汗を流した。支えてくれる、多くの人がいることも実感した。男手ひとつで育ててくれた父憲一さん。たくさんの人の思いを背負い、蛍は14年W杯のピッチに、レギュラーとして立つ。【益子浩一】