日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)が、セリエAのACミラン移籍が決まった同代表MF本田圭佑(27)の活躍に太鼓判を押した。世界的なクラブに勝負の場を移す日本の司令塔が持つ強いメンタリティーを評価。同FW香川真司(24)がマンチェスターUに移籍する際と同様のメッセージを送り、W杯ブラジル大会(来年6月12日開幕)に向けた本田のさらなる成長を期待した。

 ACミランの偉大な歴史を全て知るからこそ、ザッケローニ監督の言葉には説得力があった。日本代表の命運を握る司令塔の名門移籍。98-99年シーズンから3シーズン指揮を執り、世界的なビッグクラブ特有の重圧を経験した指揮官は本田の活躍を「保証」した。

 ザッケローニ監督

 本田の持っている技術、能力、メンタルは十分にイタリアで戦えると思う。活躍を願っている。技術、戦術だけでなく、何よりも強い気持ち、パーソナリティーを持っている。それはミランのようなクラブでプレーするには必要不可欠なものだ。

 日本人では珍しく、有言実行を貫く本田。時として、ビッグマウスと捉えられることもある。ただ、自分で口にすることで責任を背負い、それをクリアしてきた。その姿を身近に見てきたから、ザッケローニ監督は本田の強靱(きょうじん)な「心」を評価した。

 ただ、その次に続けた言葉が本田への期待を表現していた。それは、マンチェスターU移籍が決まった香川へ送ったものと同じメッセージ。ザッケローニ監督が代表の選手選考でも重要視する「継続的な活躍」というものだった。

 ザッケローニ監督

 定位置争いも激しいし、ミランの歴代の10番は良い選手が多いので、厳しい争いがあると思う。以前、香川の時にも話したと思うが、入団するのが到達点ではない。ビッグクラブでコンスタントにプレーすることこそ大事になってくる。

 本田のミラン移籍、進化が代表にもたらすプラス面は絶大のはず。指揮官は大いなる信頼と期待を表した。【菅家大輔】