さぁ2泊3日、春の勉強合宿だ!

 16年リオデジャネイロ五輪を目指すU-21(21歳以下)日本代表候補の国内合宿メンバーが20日、日本協会から発表された。初采配のU-22アジア選手権(1月、オマーン)では人選に関わらなかった手倉森誠監督(46)が、初めて招集した27人はJクラブの主力級ばかり。発掘は今後に回し、まずは現時点の世代最強選手に自らのコンセプトを教え込む。合宿は24~26日に都内で行われる。

 特進クラスの短期集中合宿-。手倉森ジャパンの第1回国内合宿は、そんなイメージだ。日本協会を通じて「所属先で定位置を確保している選手を中心に集めました」とコメントした通り手倉森監督が選んだ27人の3分の2は、既にJクラブでレギュラーの世代エリート。来年始まるリオ五輪予選へ「彼らにコンセプトを伝えることが目的」と戦術を一からたたき込む。

 メンバーは24日午後に集合し、26日午前に練習試合(対U-19日本代表)をして解散する。実質2日間で3度の練習、2度のミーティング、1度のゲームが予定される「集中講座」。27人のうち13人はオマーン遠征に参加しておらず、手堅い守備から速攻を仕掛ける手倉森流を「新しい選手に落とし込みたい」と説明した。得意のパワーポイントを駆使しての説明会も予定。実践と座学で覚え込ませる。

 当初の方針を変えた。手倉森監督は2日にJ2湘南-山形戦を視察した際「50人以上呼びたい」と発言。Jリーガーだけでなく大学生もチェックしていた。日本協会関係者によると、現在タイ遠征中の全日本大学選抜を現地視察する計画も立てていた。間口を広げようとしていたが、自ら選手を選んだ実質的な初合宿とあり、発掘よりも戦術の浸透を優先したという。

 別の関係者によると日本協会は、南野拓実(C大阪)高木大輔(東京V)らU-19代表の「飛び級」を封印している。少なくとも10月のU-19アジア選手権まではU-21代表の活動に引き上げず、4大会ぶりのU-20W杯出場権獲得に専念させる方針を固めている。

 そんな事情もあり、手倉森監督は93、94年生まれの秀才だけに狙いを定めたようだ。最終日にある、世代別代表同士の珍しい練習試合は、A代表のザッケローニ監督も視察予定。詰め込み合宿の「おさらい」として、最初の目標達成度を図る指針となる。【木下淳】

 ◆リオデジャネイロ五輪への道

 予選は来年スタートする。準備期間となる今年は3度の国内合宿を経て9月のアジア大会(韓国・仁川)に出場。来年5月の第2回U-22アジア選手権1次予選(東南アジア予定)がリオ五輪の1次予選を兼ね、16年1月に中東で開催予定の本大会が最終予選を兼ねる。今予選から中立地での短期集中開催となるセントラル方式で出場国(前回3・5枠)を決める。