U-17(17歳以下)女子W杯(コスタリカ)で初優勝したリトルなでしこが7日に帰国し、都内のホテルで優勝報告会見を行った。日本の女性監督として初めてFIFA(国際サッカー連盟)主催の世界大会を制した高倉麻子監督(45)は、笑顔あふれる指導法で「高倉ワールド」を展開。なでしこジャパン次期監督の筆頭候補に浮上した。早くも今夏から「ヤングなでしこ」として再スタートを切る。

 報道陣は100人以上。選手は緊張の面持ちだったが、最後は爆笑で幕を閉じた。高倉監督が大会中に一発芸コンテストを行ったことを明かすと、左後方を振り向き「ね?

 橋沼さん」。振られたDF橋沼はDF遠藤とコントを披露。「最後はみんなで踊ろう」と呼び掛けると、選手全員が「ラブ、ラブ、ドッきゅん」と歌いながら完璧な振り付けで踊ってみせた。

 今大会を23得点1失点の6戦全勝で制したリトルなでしこは、笑顔あふれるチームだ。「練習も長く、自分も厳しいので、ピッチ外では工夫してリラックスさせた」と同監督は、コスタリカで川柳コンテストも開催。選手たちが川柳を発表し、これにスタッフも参戦。上田団長の「なでしこの

 花咲かそう

 コスタリカ」という一句に、高倉監督が「真面目すぎてつまらない」と一刀両断すると、爆笑に包まれたという。結局、チームドクターの「超音波(治療)

 ちゃんとしないと

 超半端」が優秀賞に選ばれた。

 就任2年目の偉業に、上田団長は「やってきたことが間違ってなかった。高倉ワールドもあるしね」と同監督が作り出す雰囲気を称賛。女性監督ならではの求心力を評価し、A代表の次期監督として筆頭候補となった形だ。なでしこジャパンの佐々木監督は延長のオプション付きで16年リオ五輪までの契約。リトルなでしこのステップアップと同時に、高倉監督が未来のなでしこを率いる可能性は十分だ。

 U-20代表が8月のU-20W杯出場を逃したため、上田団長は今回の高倉ジャパンを、今夏からU-18代表として始動させる計画も明かした。次は16年のU-20W杯南アフリカ大会を目指す。6年後の東京五輪では中心となる世代だが、高倉監督は「年齢がちょうどいいだけ。大儀見選手や宮間選手を追い越さないと出られないよ」と厳しい言葉も送ったという。

 ここで一句。「世界一

 もっともビッグな

 リトルたち」。彼女たちは完璧な結果を残した。【由本裕貴】

 ◆ラブ、ドッきゅん

 新宿・歌舞伎町の元カリスマホストらで構成される6人組イケメンユニット「CLUB

 PRINCE」のデビュー曲「LOVE

 ドッきゅん」が原曲。両手でハートマークを作って踊る。若者に人気で、主に宴会やパーティーで雰囲気を盛り上げるために使用される。