日本代表のFW岡崎慎司(28=マインツ)が“闘将”の出現に期待した。ウルグアイ戦から一夜明けた6日は札幌市内で調整後に空路、首都圏に移動した。アギーレ新監督の初陣はFW本田圭佑(28=ACミラン)が一時的に主将を務めながら「面倒だ」と今後の就任に難色。同世代の岡崎は日本を強くするために、仲間を鼓舞する「闘うキャプテン」を理想像に掲げた。

 闘志むき出しでゴールに迫る岡崎のキャプテン像は、やっぱり“闘う男”だった。心地よい日差しに包まれた札幌。北海道遠征で最後の調整を終えると、新生日本のまとめ役についての持論を展開した。「現時点でキャプテンと言われる選手はいない。でも、責任を持ってやれる選手はいる」。そう前置きした上で「僕は闘将がいいと思う」とハッキリと切り出した。

 ウルグアイ戦で主将を任された本田が正式就任に難色を示したことで、アギーレジャパンのリーダーは不透明になった。本田は「主将なのに(取材で)しゃべらなかったらどうなんだ、ということになる。面倒というか義務が発生する。長谷部さんみたいな振る舞いはできない」と発言。ザック体制時で主将の長谷部が、左膝故障で今合宿を途中離脱。アギーレ監督は本田を含めGK川島、DF吉田らを主将候補に挙げているが、今後は全くの白紙だ。

 過去の日本代表主将は、闘将と呼ばれたDF柱谷哲二、知性派のDF宮本恒靖、激情派のGK川口能活らがいた。今年のW杯ブラジル大会は、初戦のコートジボワール戦を落とすと、負の流れを引きずったまま1次リーグ敗退。たとえ嫌われ役になろうとも、チーム内に活を入れる真のリーダーが不在だった。だからこそ、岡崎は訴えかける。

 「声を張ってついて来いというタイプがいない。闘将は生まれ持ったもの。日本にはなかなか生まれないけれど、みんなで意識を高めていかないといけない」

 世界との差を少しでも縮めるために-。闘う集団になることを期待した。【益子浩一】