日本代表は13日、今日14日に行われる親善試合ホンジュラス戦に向け、試合会場である豊田スタジアムで公式練習を行った。

 FW本田圭佑(28=ACミラン)が「原点」でアギーレジャパンでの自身初ゴールを奪いアジア杯連覇へと向かう。会場の豊田スは、代表定着のきっかけとなったゴールを決めた特別な場所。思い出深いピッチで準備を終えた。

 練習後は、選手23人の最後に取材エリアに出てきた。問いかけにわずかに表情を緩めたが無言だった。右ふくらはぎの上部には幅10センチほど白いテープが巻かれていた。何らかの処置をしたとみられコンディションに不安を残したが、右FWでの先発が濃厚だ。

 あれはもう4年半以上も前の出来事になる。10年3月3日。豊田スでのアジア杯最終予選バーレーン戦で先発し後半ロスタイムにゴールを決めた。当時の岡田監督を「他の誰が得点するよりも、我々にとってはうれしいことだ」と喜ばせ、これで代表に定着。一気にのし上がっていった。

 今季はセリエAでも得点を重ね、すっかり「FW」へと変身した。そのバーレーン戦で得点力不足解消の切り札として、それまで代表では経験のなかった「FW」(FWに近いトップ下)で初めて先発している。プロ生活をスタートさせたJ1名古屋の本拠地でもあり、特別な場所だ。

 現体制の船出後、4試合連続で務めた主将はMF長谷部に変更される。ただ、指揮官からは「本田と遠藤は今回の合宿でのあと2人の主将。若手の手本となってくれる」と変わらぬ信頼を寄せられている。キャプテンマークの分、わずかに軽くなった体で「原点」から再スタートする。【八反誠】