G大阪のGK東口順昭(28)が“正守護神の座”と“4冠”獲得を誓った。日本サッカー協会は15日、2連覇が懸かるアジア杯(来年1月9~31日・オーストラリア)に臨む日本代表23人を発表。3冠王者G大阪からMF遠藤保仁(34)今野泰幸(31)とともに選出された東口は、国際Aマッチデビューを果たした上でアジア王者に輝き、今季4冠目の獲得を目標に掲げた。代表は29日から国内合宿を始め、年明けに現地入りする。

 G大阪から日本の正守護神へ-。揺るぎない自信がGK東口の背中を押した。アジア杯の目標は、レギュラー奪取と大会2連覇しかない。「まずは試合に出ないと意味がない。練習からアピールしたい。優勝できるように一丸となって頑張る」。日本代表は11年の慈善試合に3番手で出場しただけで国際Aマッチは未経験。11月に約3年ぶりに代表に選出されていたが、出番はなかった。

 日本一のGKになるため今季、新潟からG大阪に移籍してきた。ナビスコ杯、リーグ戦、天皇杯の3冠を成し遂げた。“3冠GK”として評価はうなぎ上りだが、本人は冷静だ。「チームはチーム、代表は代表でプレーしたい。そういう意味ではゼロからのスタート。周りの評価は変わっていると思いますけど」。

 9日の年間表彰式Jリーグ・アウォーズでは悔しさも味わった。リーグ全試合フル出場し、クラブ記録の14試合無失点を達成。長谷川監督から「MVP」と評価されたが、ベストイレブン初受賞はならなかった。「今年で一番、ほんまに悔しかった」。壇上に上がったのは、代表でライバルとなる同学年の西川(浦和)だった。「個人のタイトルを取らないと、日本一のGKへはまだまだ難しい」と痛感した。

 「(ベストイレブンに)選ばれなくて悔しいと思っている時点で、去年より確実に成長している証し。それをバネにやっていきたい」。アジア杯で2大会連続5度目の優勝を実現できれば、各大陸王者が集う17年コンフェデレーションズ杯に出場できる。その先には18年W杯ロシア大会がある。

 自身を「代表の中で、3番目」と評価するが、甘んじるつもりはない。「試合に出ることで、やっと進み出すかなと思う」。東口には3冠を成し遂げた実力も勢いもある。最強G大阪の守護神が、アジア経由で世界へ羽ばたく。【鈴木絢子】

 ◆東口順昭(ひがしぐち・まさあき)1986年(昭61)5月12日、大阪府高槻市生まれ。G大阪ジュニアユースから京都・洛南高へ進学。福井工大から新潟経営大に転入し、09年新潟入り。14年G大阪へ完全移籍。J1通算118試合出場、国際Aマッチ出場はなし。184センチ、78キロ。