<天皇杯:磐田3-1栃木SC>◇4回戦◇2日◇ヤマハ
リーグ17位と降格圏内の磐田は41歳のFW中山雅史が1得点1アシストの活躍で3-1と栃木SCを下した。
つりかけていた足を、意地で突き動かした。同点にされて3分後の後半24分。FW中山は、空中戦に競り勝ってFWカレン・ロバートに流すと、誰より先に反転した。落としをいち早く受けると、DFの重心と逆の「空いた」ゴール右へ、左足を振り抜いた。コロコロとボールが転がった瞬間、ベンチのオフト監督へ人さし指を突き出して笑ってみせた。
「直前にベンチを見たら万代が用意していたので(交代は)オレだなと。だから、何とかチャンスをつくりたかった」。41歳1カ月10日での、リーグ、ナビスコ杯を合わせて今季3点目は、昨季の計2点を超える1発。何より、チームを救った意地の一撃だった。
17位と苦しむリーグ戦から10人が替わり、サブ組で臨んだ今回。だが「これで戦うとなったらそれがジュビロ。ピッチに立ったら責任を果たさないといけない」。先制点も、MF名波の意表をつくループFKを、あうんの呼吸で合わせた自信のアシスト。責任を果たして、万代と代わった。
今季リーグ出場は14試合で、過去最少の308分。力は落ち始めたが、心は常に上を見る「少年」のままだ。前日に母校藤枝東の静岡県高校選手権の準々決勝突破を知ると、ガッツポーズを連発した。鬼ごっこなど遊び練習では「ズル」してでも勝ちにこだわり、罰則の腕立て伏せを拒んだ。この日、前半に続いたミスが悔しくて、合間に全員に話を聞いて回った。「未熟です。また頑張らなきゃと思った」。
10月25日に横浜FCのカズが41歳7カ月29日で得点した。「カズさんがどうとかはないけど、良かった。これをリーグに何とか生かしたい」。少年のような41歳が、チームにカツを入れた。【今村健人】



