仙台は18日、仙台市内で新加入選手会見を行った。詰めかけたサポーターの前で9選手がそれぞれ意気込みや抱負を述べ、渡辺晋監督(41)は今季テーマに「挽回」「献身」の2つを掲げると発表、伝統の堅守速攻を取り戻して上位進出を目指す。その守備の要として活躍が期待されるDF渡部博文(27)は「このメンバーでタイトルを取りたい」と誓った。復帰組を合わせ計12選手が加わった新生ベガルタが第1歩を踏み出した。

 何のために仙台に来たのか証明したい-。柏から完全移籍で加入した渡部は、強い決意を胸にこの日の会見に臨んだ。185センチの長身を生かし、チームカラー「堅守」の軸として期待される即戦力候補は「タイトルを取りたい。(メンバーが)変わってもできることを証明したい」。集まった1000人のサポーターの前で宣言した。

 渡部にとって、仙台入りは大きな存在が影響していた。中学時代、地元・山形中央高のボランチとして活躍するDF菅井のプレーがあこがれだった。「当時からスーパースターでしたね。ずっと背中を見て育ちました」。高校進学時も強豪私立から誘いはあったが、菅井のいた高校を迷わず選んだ。

 その大先輩から今オフ、「一緒にやろう」と連絡を受けた。「背中を押してもらった。本当にうれしかった」。同じピッチでプレーするという夢をかなえる時が来た。激しいポジション争いは覚悟の上だ。21日のチーム始動に向け「競争はどこでもある。勝ち上がっていく」と気を引き締めた。

 プロ6年目でJ2と天皇杯優勝、ACLも経験済みだ。「(仙台に来たのは)上に行くためでもある。代表や海外も見据えています。仙台から1人でも多くの代表選手が出て底上げにつなげたい。そして東北を盛り上げていきたい」。震災後、仙台開催のチャリティーマッチ東北人魂には毎年参加しており「東北魂を持ってこのチームで頑張ります」。山形生まれの渡部が、新天地仙台での活躍を誓った。【成田光季】<新入団選手ひと言>

 ◆GK六反

 足元のうまさやパントキックを見て欲しい。早く仙台の人に覚えてもらえるようにしたい。

 ◆DF多々良

 僕にとっては初めてのJ1での戦い。気持ちのこもったプレーをしたい。

 ◆MF茂木

 1日も早くユアスタでプレーしたい。キック精度に自信があるので期待してください。

 ◆MFキム・ミンテ

 ヤヤ・トゥーレが好きなので、ヤヤ・ミンテと呼んでください。

 ◆MF杉浦

 2列目の飛び出しやゴール前のプレーを見てほしい。毎試合勝つために努力していきたい。

 ◆MF金久保

 新しいチャレンジができる。もう1度、自分というものを出して頑張りたい。

 ◆FW西村

 仙台のために全力でプレーして、チームの大きな力となれるよう頑張ります。

 ◆FW金園

 東北ダービーでゴールを決めたい。いいプレーを見せて仙台サポーターに認めてもらいたい。