前回王者のドイツが、6大会連続ベスト16のメキシコに敗れ、まさかの黒星スタートとなった。

 前回大会王者の初戦は、82年大会以降に限ると3勝2分け4敗と黒星先行で今大会で3勝2分け5敗。不吉な王者の初戦データにハマる格好となった。

 メキシコが先手を取った。前半35分、自陣でボールを奪うとカウンター攻撃を仕掛けた。FWエルナンデスとFWベラが素早いパスまわしで一気に敵陣に持ち込むと最後は左サイドのFWロサノへパスが通った。ロサノは、ペナルティーエリア内左寄りの位置で切り返し、DFをかわし右足でゴール左隅へ鮮やかな先制ゴールを決めた。DF陣も体を張った守りでドイツの攻撃を無失点に封じた。

 試合後、FWエルナンデスは涙を流しながら歴史的な1勝をかみしめた。

 W杯での連覇は非常に難しく、34、38年大会のイタリア、58、62年大会のブラジルだけとなっているが、2連覇を狙うドイツにとっては嫌な初戦となった。