トルコ1部ブルサスポルMF細貝萌(29)が3日、東京・渋谷でバイエル薬品が主催する肺の難病CTEPH(シーテフ、慢性血栓塞栓性肺高血圧症)患者支援イベントに参加した。

 13年からこの病気の啓発大使として、支援活動を続けてきた。この日のイベントは、1個風船をふくらませるごとに500円が支援金になるもの。

 「病気による息苦しさがあって、風船をふくらませることができない患者さんに代わり、みんなで風船をふくらませる」という趣旨にそって、細貝も一般参加者とともに風船に息を吹き込んだ。

 風船は世界的なバルーンアーティスト、SHINO氏の手で、患者アンケートで旅行してみたい先の1位になったエッフェル塔に仕上げられる。

 細貝は支援活動を始めた経緯を「以前レバークーゼンに所属したことで、バイエルさんと話をする機会を持てたことがきっかけ」と説明した。

 「正直、この病気のことは自分も知らなかった。ドクターでも、この病気を特定できない場合もある、難しい病気だと聞いています。世間のみなさんに病気の知っていただくことが、少しでも多くの患者さんが病気に気づいて、治療を始められることにつながる。患者さんと対談もして、歩くのもきついという方の話も聞いた。自分では経験したこともないようなことで、そこは難しいですけど、少しでもその方々の気持ちを分かることができるように努力したいです」

 細貝はバイエル薬品と合同で、13-14年シーズンから2年間の公式戦での走行距離を合計し、1キロあたり1000円の寄付を行ってきた。「そのプログラムは一区切りつきましたが、これからは個人的に走行距離分の支援金を、バイエルさんを通して寄付したい」と言う。

 CTEPHは、肺の血管の内側に血栓がつまり、血流をさまたげることが原因で、肺動脈にかかる血圧が上昇する。肺と心臓の血流が悪くなるため、息苦しさや身体のだるさ、胸の痛みなどさまざまな症状が表れる。

 今回の「CTEPH バルーン・ドリーム」プロジェクトは、病気の認知促進と、患者支援を目的とした活動。この日は肺の病気の克服を目指すという意味で、一般参加者とともに風船をふくらませ、バルーンアートをつくった。

 また、バイエル薬品はプロジェクト公式フェイスブックページも開設。「いいね!」ボタンを押すと、1件あたり100円が肺高血圧症の患者支援金になる。