コロンビア中部メデジン近郊でブラジルのプロサッカー選手が乗ったチャーター機が墜落した事故で、コロンビア政府当局は29日、死亡したのは71人で、6人が病院などで手当てを受けていることを明らかにした。AP通信が伝えた。

 航空当局は当初、乗客乗員81人のうち75人が死亡したとしていたが、実際には4人が搭乗していなかったという。神戸のカイオジュニオール元監督らJリーグ関係者はこの4人には含まれず、生存者名簿にもない。

 当局は飛行状況などの記録装置が入っているブラックボックスを発見。原因究明を本格化させる。事故機は28日夜、メデジン近郊で電気系統のトラブルを伝える緊急発信をした後、山岳地帯に墜落した。

 墜落したBAe146はボリビアの会社が所有。同社幹部はスペイン通信に対し、全ての検査に合格しており、操縦士らはスイスで認証を受けていると強調した。

 救助されたのは選手3人、乗員2人、ジャーナリスト1人。選手の1人はゴールキーパーで、手術で右脚を切断した。

 一方、亡くなった選手らを悼む声が広がった。現地からの報道によると、事故機にはブラジル南部のクラブチーム・シャペコエンセの選手が乗っていた。コパ・スダメリカーナ(南米杯)決勝戦で対戦することになっていたメデジンのナシオナル・メデジンは29日、南米サッカー連盟に対し、同杯のタイトルをシャペコエンセに与えるよう要請した。

 「サッカーの王様」ペレ氏は、ソーシャルメディアで「シャペコエンセは小さな都市のチームだが、ブラジルだけでなく南米でも精鋭といえるレベルに到達した」とたたえた。