前日本代表監督の岡田武史氏(56)が監督を務める中国スーパーリーグ杭州緑城が、昨季札幌の監督を務めた石崎信弘氏(54)を下部組織U-18の監督に招聘(しょうへい)したことが明らかになった。14日、クラブ関係者が明言した。既に指導を開始している。

 杭州緑城は岡田監督、小野剛ヘッドコーチ兼U-20監督(50)に加え、今季からフィジカルコーチに韓国をロンドン五輪3位に導いた池田誠剛氏(52)、U-18コーチとして同五輪日本代表コーチ武藤覚氏(36)が加入。石崎氏就任で「日本色」が一層強まった。

 中国では今年、4年に1度の全国運動会(日本の国体にあたる)が開催される。浙江省のサッカー競技代表は杭州緑城の下部組織。岡田監督の指導を評価する浙江省から全国運動会に挑む下部組織に日本人指導者を招く希望を伝えられており、それが実現した。

 石崎氏は11年に札幌をJ1昇格に導いたが、昨季はJ1で成績不振でシーズン終了後に辞任。ただ、J1・J2で監督代行を含めると計6クラブ、490試合の指揮を執った経験は随一。体力面と技術面を同時に鍛えるハードな練習が持ち味で、「岡田杭州」の底上げを図る。

 ◆石崎信弘(いしざき・のぶひろ)1958年(昭33)3月14日、広島市生まれ。広島工高、東農大を経て東芝に入団。DFとしてJSL2部ベストイレブンに5年連続で選出。93年に引退し、95年からJFLのNEC山形監督に就任。その後、大分、川崎F、清水、東京V(監督代行)、柏、札幌の監督を歴任した。175センチ、70キロ。